【アドラー心理学】2_あなたが変わるためのマインド
ここでは「私は変わりたいけれど変われない」と思っている方に向けて、革新的な考え方を知っていただきたいと思います。
その一例として感情的な人の例を挙げますので、まずはあなたの考えをまとめてからお進みください。
(例)部下が大事な会議に遅刻をした。上司は怒って部下に怒鳴りつけた。
上司はなぜ部下に怒って怒鳴りつけたのでしょうか。
考え方は2通りあります。
1 部下が大事な会議に遅刻したから怒鳴りつけた。
2 遅刻の再発防止や謝罪させるため(つまり教育)のために怒鳴りつけた。
前者は原因論的な考え方です。
つまり過去の出来事に現在の行動が規定されるということです。
それでは部下が大事な会議に遅刻したとき、全ての上司は部下に怒るのでしょうか。
そんなことはないはずです。
後者は目的論的な考え方です。
つまり現在の行動は、未来の目的を達成するために選ばれたものということです。
上司は「遅刻の再発防止という目的」を達成するために怒ったのです。
この二つの考え方の決定的な違いは「過去は変えられないが、目的や目的を達成する手段は変えられる」という点にあります。
あなたが過去を理由に行動を決定している限り、あなた(過去)は変われません。
自らの行動の目的は何かを考え、それを達成するために行動するのであれば、目的を修正するか、より適切な行動を選択することで、あなたは変わることができるのです。
今回の例では上司は「怒る」という最も短絡的で安直な行動を選択してしまいましたが、人間は「対話」という優れた選択肢を持っているはずです。
もし遅刻の再発防止を目的とするならば、上司は部下に対して遅刻の原因を対話で聞き出し、それに対する対策を提示すべきだと思います。また遅刻によって発生する(部下自身や会社に対する)悪影響を部下に教えることも必要でしょう。
目的を達成するために「怒りという道具」を使う必要はないのです。
怒りっぽい人で怒った後に「わたしは本気で怒っていない」と言う人はいませんか?
その人は自分の目的を達成するために「怒り」という銃をあなたに向けて、あなたを操作しようとしています。
銃を向けられ要求に応えた後に、この銃には本当は弾は入っていないのに、と言われているのと同じです。
しかし銃を向けられる側からすれば、弾が入っているかなど関係なく脅されていると感じます。
あなたは他人に銃を向けて話し合いをしますか?
それともお互い武器を持たずに話し合いますか?
もう一つ例を挙げます。
(例2)小学校で虐められたAさん。Aさんは引きこもりになった。
なぜAさんは引きこもりになったのでしょうか。
目的論で考えてください。
1 Aさんは虐められたから、引きこもりになった。
2 Aさんは「対人関係で傷つかない」という目的を達成するために引きこもりになった。
前者は原因論、後者は目的論です。
虐められたという過去にフォーカスをする限り、Aさんは変わることができません。
しかし傷つきたくないという目的や、傷つかないための手段は変えることができるはずです。
もし行動を起こすなら、感情的になりそうなら、「これからどうしたいのか」を考えて、相手に伝えてください。
くれぐれも「かわいそうな私」や「悪いあの人」に原因を押し付け、自らの目的から目を逸らさないことです。
これが目的論的な考え方を身につける方法です。
【まとめ】
あなたは必ず変わることができる。
なぜならあなたの行動は過去によって決まるのではないからだ。
過去は変えられないが、未来の目的やその手段は選ぶことができる。
選ぶのは常にあなた自身である。
あなたの悩みの本質と、あなたは必ず変われるということをご理解いただけたでしょうか。
次章では人を不幸にする承認欲求についてお話します。